先週、何年かぶりに多治見修道院を訪ねました。
3.11
ちょうど震災から3年目の日でした。
わたしは、お寺にも神社にも教会にも行くことが好きですが、特に強い信仰心を持っているわけではありません。
ですが、祈ることの大切さを感じています。
先日、
祈りというドキュメンタリーの上映会を観ました。世の中には、まだまだ解明されてないことは沢山あり、古くから、大事にしてきたことのなかには、非科学的に見えて実はそうではなく、何か大きな影響力を持っていることがある気がします。
こういう安らかな場や、古くて美しいものに癒される時間や場所を、小さな家の中に取り込んでいけるような建築を目指したいとも考えます。
2014.03.10雪の建方
まさかの寒波で、岐阜もしっかり雪の日に。なんとか作業も中断することなく、終わってみれば、5人の大工さんで2時半には終了という快挙でした。今までになくシンプルな形の建物、6月完成です。
雄総のいえの引き渡しでした。
美術家、佐部利典彦さんの、アトリエ兼住まいです。(もちろん、愛する奥さんと娘さん、三人家族の家でもあります。)佐部利さんは、岐阜城を望むこの新しい環境が、今後の創作に少なからず影響を与えるだろうと楽しみにしてくれている上、工事が終わり、生活の場に変るこの日、嬉しさよりも寂しさを感じると言われました。
家づくりの完成までの道程は、楽しいだけでなく、金銭的にも時間的にも思い通りに行かない事や、適わない事もあって、厳しい思いをする事も多々あります。が、それ以上にこれまでの時間を有意義に感じていただけたからこそ、そう思っていただけたのかもしれません。
工事業者もそうですが、設計者としても、一物件はいくつかの物件のうちの一つに過ぎない部分も当然あります。それでも一件一件大切に設計、監理し、それが住まい手にとってかけがえの無い物になってくれればと、いつも思っています。「寂しい」と思っていただけるのは、ちゃんとその気持ちが伝わったからなのかなと思います。設計を任された者として、これほどに感慨深く、感動を覚えることはありません。
佐部利典彦 http://www.h6.dion.ne.jp/~saburie/