2014.03.07美術家 佐部利典彦
雄総のいえの引き渡しでした。
美術家、佐部利典彦さんの、アトリエ兼住まいです。(もちろん、愛する奥さんと娘さん、三人家族の家でもあります。)佐部利さんは、岐阜城を望むこの新しい環境が、今後の創作に少なからず影響を与えるだろうと楽しみにしてくれている上、工事が終わり、生活の場に変るこの日、嬉しさよりも寂しさを感じると言われました。
家づくりの完成までの道程は、楽しいだけでなく、金銭的にも時間的にも思い通りに行かない事や、適わない事もあって、厳しい思いをする事も多々あります。が、それ以上にこれまでの時間を有意義に感じていただけたからこそ、そう思っていただけたのかもしれません。
工事業者もそうですが、設計者としても、一物件はいくつかの物件のうちの一つに過ぎない部分も当然あります。それでも一件一件大切に設計、監理し、それが住まい手にとってかけがえの無い物になってくれればと、いつも思っています。「寂しい」と思っていただけるのは、ちゃんとその気持ちが伝わったからなのかなと思います。設計を任された者として、これほどに感慨深く、感動を覚えることはありません。